脊椎内視鏡手術の普及により、腰椎後方侵襲椎体間固定術(PLIF)も低侵襲に行えるようになった。当院では2001年より内視鏡下PLIFをpedicle screwを使用せずに行い、良好な成績を得た。しかし、pedicle screwを使用せずに行うPLIFの適応となる症例は少なく、また骨癒合に長期間を要した。2004年9月に経皮的にinstrumentを挿入可能なpedicle screw systemであるSextantが発売され、当院では2004年11月よりX-tubeとSextantを組み合わせ10例にMIS-TLIFを施行している。
手技はX-tubeを通して症状側の椎弓をmicrobonesawを使用して一塊として切除し、移植骨としてとっておく。硬膜外静脈叢をサージマックスで丁寧に凝固し止血する。特にX-tube内の狭いワーキングスペースでの止血操作にはトリガーフレックスバイポーラシステムが有用で、良好な止血効果が得られる。また通常のバイポーラでは骨性組織上での止血は困難であるが、サージマックスは充分に止血が可能である。
骨母床の作成は片刃のノミを使用しており、対側の骨母床も先曲がりのring curetと先曲がりの片刃ノミを考案作製し、極力平坦な骨母床を作成する。移植材料はケージにlocal boneをchipとして十分に詰め込み椎間に移植する。平坦な移植母床を作成することにより、ケージをスライドさせ正中を超え、対側まで移動させる。二つ目のケージも正中へ移動させ、残ったスペースにはlocal boneが残っていればchipとして充分量の骨移植を行う。残っていなければallogeneic bi or tri-cortical iliac blockを移植する。最後にイメージ下にSextant systemを使用して内固定をする。
疾患の内訳は腰椎椎間板ヘルニア症6例(MOB 4例)、腰部脊柱管狭窄症2例(MOB 1例)、腰椎変性性すべり症2例である。男性7例、女性3例24〜75歳(平均52.7歳)。手術時間は2時間35分〜4時間22分(平均3時間19分)。術中出血量46〜276g(平均174.2g),術後出血量12〜522g(平均123.6g)であった。
手術時間は通常のopen TLIFより1時間強延長しているものの、出血量は極めて少ない。この手術手技で硬膜外静脈叢からの出血をコントロールすることは極めて重要なポイントであり、サージマックスは有用なツールである。